小アルカナ「カップのクイーン」さんのお話を聞いてみた
こんにちは。タロットともっとなかよくなりたいはのんです。
自分なりにタロットカードの意味をかみ砕き、飲み込み、自分のものにするための練習として、カードに書かれている人物に「自分語り」をしてもらい、それを聞き書き風に文に起こしてみようと思いつきました。
まったくの俺得wな企画。
前回にして初回の記念すべき1回目は、「愚者」さんに仮想インタビューしてみた - はのん 君はどこを目指す?でしたが、順番どおりにはいかないんですねこれが。
小アルカナに飛び、さらにコートカードからカップのクイーンさんにお話を聞きます。
ではどうぞ。
私をクイーンたらしめているのは、頭上の王冠ではない。
冠を失おうとも、この両手の中に器がある限り、私は心の世界に君臨する。
この器こそが、私が私たる所以。
この器は、乾くことを知らない。いまだかつて乾いたことがない。
心が乾ききることがないように。
中にあるのは、私の憂い。
ときに面は波立ち、ときに雫が波紋をつくる。
固まることなく、ゆるゆると形を変える。
ここに座し、手の中の憂いがゆっくりと熟成してゆくのを見守る。
それが私の役目。
足元に打ち寄せる海は、どのように大きく見えようとも、私の手の中の器の中身と同じもの。
憂いがいかに個人的なものであろうと、それこそが他の者と繋がり合い分かり合う端緒となるのだろう。
どうともし難い憂いや悲しみは、人生の雑味ではありえない。
深みと味わいをもたらすのだ。
涙と共に食べるパンは、人生の味がするのだから。
聞き手:はのん