【チャート読み】好きなクリエーターはわたしのどこを満たすのか ~デヴィッド・リンチ編 その1~
星占いの師匠が言っていた。
「好きな作家や映画監督のチャートを見ると、その人の作品のどこが自分を満たしてくれているのかがわかるよ」と。
ということで、今回は映画監督からひとり。
昔むかし、日本がバブリーで浮かれてお金が回っていた頃、この人の絵の個展が表参道で開かれたことがあったんです。
ファンなので、まあ行きましたよね。
作品、もうすんごかったです。
リンチは何をやってもリンチだわーと思いながら帰りました。
映画で好きなのは、マルホランド・ドライブ。ストレイトストーリーもよかったです。
さて。デヴィッド・リンチ監督といえば、世界一メジャーなカルト映画監督。矛盾だ。
どんな感性を持っていると読めるのか。
楽しみでございます。
David Lynch 1946.01.20 03:00 Missoula
青丸で囲んだのが、重要かなと思ったポイント。
前回の村上春樹さんのときと同じく、まずは世代的な特徴から読んでみましょうか。
冥王星はしし座。心は永遠に青春のままでいることに、譲れないこだわりを持った世代。
海王星はてんびん座。人と人との関係性にいつまでも夢や期待を持つ世代。
天王星はふたご座。新しいものに対する好奇心を飛び抜けて持っている世代。新製品や新技術に興味をもって使いこなそうとする。
老け込むまいという強い意志と、人との交流にずっと期待を持っていられるところと、新しいもの好きなところ。いつまでも若々しくいられるのでは。
世代天体のサインは、以前取り上げた村上春樹さんとまったく一緒。なぜなら、3年ぐらいしか生まれ年が変わらないから。
ざっくりまとめて、1943年頃から1949年頃までに生まれた方は全員この天体の組み合わせ。
なので、これはリンチ監督や村上春樹さんと同世代の方が持っている共通の特徴になります。
さて。次は、天体のモードとエレメントチェック。
活動:3+3+1=7 固定:0+0+1=1 柔軟:1+0+1=2
火:0+0+1=1 風:0+1+2=3 土:4+0+0=4 水:0+2+0=2
モードは活動サインが多すぎ。エレメントは土優勢。
太陽はみずがめ座とのボーダーラインギリギリでやぎ座。
リアリスト。社会の中での上昇志向。
つまり、野望や出世欲をちゃんと持って、一歩一歩泥臭くその実現に向けて登っていく。
そんなところにこの人のプライドがあって、そういう自分であり続けたいと思っている。
活動的な土。
自ら動いて、物事を形にせずにはいられない人です。そうせずにはいられないし、形に作り上げることを楽しいとも思っている。太陽と金星が合なので。
この太陽は、自分の力を試すためにチャレンジをするような環境にいる。
そこへ、かに座8ハウスから火星土星コンビが、常に強い衝動を与えている。
かにで8ハウス。大変水っぽい。人の感情・・・いやもっとふさわしい言葉があるな。
そう。情念。
情念を、もしかすると潜在意識レベルの深みで揺さぶるような、人の心のそんなにも深いところまで届くようなインパクトを加えて形にすることを、ずっと継続してやっていくという衝動の持ち主。
そして、その両方を、てんびん座11Hの木星が、「youやっちゃいなよ」って煽りまくる。
自由な思想のもとに膨らませていこうとする。
太陽と金星のいるやぎ座と、火星土星がいるかに座。
やぎ座は土。硬い。殻とか外骨格のようなもの。内と外とを隔てる。
かに座は水。柔らかい。形を持たない。何かの中に入って初めて、その器の形を借りる。
やぎ座とかに座の関係って、貝殻と、その柔らかい中身に例えられることがあります。
やぎ座が国家なら(国境で区切られて隔てられているでしょ?)、かに座はそこに住まう人々の心。民族の心だとたとえられます。
アメリカという国は、かに座生まれですしね。
監督が撮る映画の中で、50年代のアメリカの懐メロとかがしばしば効果的に使われていたりするんですよ。
小道具でも、ドーナツとコーヒーとか。チェリーパイとかね。
古き良きアメリカ、と表現される時代への愛着やこだわりが感じられる。
そして、確かこの監督、海外ロケで映画を撮ったことないんじゃないかな。あったらごめんなさい。
ここまでをまとめると。
自分の力を試せる環境に身を置いて、同胞の心を奥底から揺さぶるようなものを、自由な思想のもとで非常に活動的に、休むことなく形にしていく。
こういう生きかたをする、そのように思われたい人です。
月はおとめ座にあります。
彼の太陽は、上に書いたようにいろんな天体からの絡みがあって非常にパワフルです。
対して、この月は天王星からのスクエアぐらいしかない。
けれど、チャートの中で一番高い場所にいるのがこの月です。だから目立つのです。
個人としては、整理整頓されたきちっとしたところ、いやむしろ病院みたいに清潔で何もなく無味乾燥な場所にいると心安らぐ人だと思うんです。
なんですが、そうは問屋が卸さない。
見たことがないものや変わったものに、めちゃくちゃ好奇心をかき立てられるふたご座天王星がスクエアで入っているので、そういうものに突然出会う。
そして、この人の心を閉じさせてくれない。
むしろ刺激が過多で、ちょっと神経が休まらない感じがあります。
「見たことがないもの」って書きましたが、違いますね。
天王星は7ハウスにあるので、ものじゃない。人です。
「見たことない人や変わった人」です。つまりは変人。
日常で見かけた、おかしな人からのインパクトをものすごく受けて、それを心に蓄積する人です。
そういえば。
この人の作品には、変わった人がいつも唐突に出てきます。
いつも丸太を抱いているおばさんとか、宇宙と交信する軍のお偉いさんとか、道端で「鹿をはねてしまった」って泣き叫んでる女性とか。もうホントにいろいろ。
変なキャラクターがちょい役みたいな感じで、たいしてメインのストーリーには絡まないのに必ず出てくる。
それ、きっとここからきていたんでしょうね。
なので彼自身も、ちょっと感情が人とは違う感じがあるかもしれません。
人から見て意味の分からないことを突然始めたり、またそれを突然やめたり。
たぶんこの人自身が相当変人度高いです。
その月が、10ハウスという人の社会での立ち位置を表すところにあります。
しかもその入口にあるので、看板のごとく非常に目立つ。
ここに月がある人は、私生活に属する事柄を社会でやろうとする傾向にある。
この人の場合は、個人的なコーヒー好きが高じすぎて、コーヒー豆の通販を始めたとか。
何かの映画のディスクの特典が、ただ延々と庭でバーベキューをするだけの映像だったとか。
そんな話を聞いたことがあります。
さて。簡単にチャートを読んだところで。
次回は、この人の作品がわたしをどう満たしてくれているのか読んでみようと思います。